伊丹市の東部にある伊丹市立神津小学校において、5年生と6年生全員(各1学級)が1対1で地域のシニアと「聴き書き」を行った。このプロジェクトは関西SDGsプラットフォーム公認分科会の「共育分科会」(代表:認定NPO法人 阪神・智頭NPOセンター・畑井克彦)が、地域の多様な団体がネットワークを組んで実施した。

■「聴き書き」で地域の家族を含めた人のつながり再構築。

地域のシニアが小学生と同年代を語りあう

――小学生はシニアの「生き様」を知る

3世代で同居していても、小学生とシニア世代が自分の人生を語る“場”を持つことは難しいという課題に切り込んだプロジェクトである。会場となった神津小学校は1学年1クラスというサイズ感を活かし、1対1で地域のシニアと小学生が語りあい、それを文章にまとめ、再度語り合うという「伊丹聴き書きプロジェクト」を企画・実施した。小学校では2年目の実施となる。

運営主体となっているのは、共育分科会と神津小学校の他、伊丹市社協、民生委員、シニア地域活動団体、K-mezonときめき(特養)、神津地区コミュニティスクール、神津小PTA、学生(京大・関学)、総務省地域情報化アドバイザーという多様な人材である。それぞれ自分の持てるプロの技を持ち寄って相乗効果を生み出した

  1. 文章講座(小学生のみ)2019年12月6日(神津小)
  2. 聴き書き 2019年12月20日(神津小)
  3. お渡し会 2020年1月24日(K-mezonときめき)

シニアにとっての成果は、小学生が真剣に聴くことでシニアの記憶のふたを開けることになり、自分の人生と向き合うことで福祉的効果が高い。「自分の孫には話せないようなことも思わず話した」との声があった。

小学生にとっては、他人の生き様にふれることで、地域で暮らす上でより深い人と人のつながりを感じられた。話し手であるシニアは「聴き書き親」と銘打って、「名付け親」のように特別な関係を持てる人となってもらえる。このことが地域の愛着に通じる。この「聴き書き」で得られた関係性が、これからの地域活動を支える土台となり、防災・減災という次なる活動がすでに芽吹いている。

 

共育分科会が小学生とシニアの「聴き書き」を実施2019/12/6

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